NEWS

Nスタふくしま
07月13日
家族をケアする子ども“ヤングケアラー” その実態は…(福島県)

皆さんは「ヤングケアラー」という言葉をご存じでしょうか?親の代わりに幼い兄弟の世話をしている、病気の親を助けるために労働をして家計を支えているなどその実態は多岐にわたりますが、本来、大人が担うとされている「家族の世話や介護などを日常的に行っている18歳未満の子ども」のことを指します。

ヤングケアラーは近年大きな社会問題となり、国は都道府県など自治体に実態調査をするように促していますが、福島県は実態調査や支援について「検討中」と話しています。私たちは、福島県白河市の子ども食堂で元ヤングケアラーの青年に出会い話を聞くことができました。問題の難しさ、それは意外なところに潜んでいました。

福島県白河市の子ども食堂「たべまな」。毎週月曜日、子どもたちが集まって、夕食をとったり宿題をしたりする憩いの場です。

施設を管理しているのは、鴻巣麻里香さん。子どものメンタルヘルスに詳しく、不登校などの問題を抱える子どもの支援を行うスクールソーシャルワーカーも兼任しています。

鴻巣麻里香さん「一番、困ったが言いずらいのは子どもたちなので、子供たちが集まれる場所で子ども食堂を作った」

この日の献立はカレーライス。高校生が調理を担当していました。

高校生「楽しいです。自分が作ったご飯をみんながおいしいと食べてくれるところ」

この食堂は保護者にとっても憩いの場になっていました。

保護者「最初は(子どもを)送ってくるだけだった。だんだんほかのお母さんとも話をするようになって、1週間に1回、気を抜ける場所みたいな感じ」

この日、男の子を連れた青年が訪れました。食堂の子どもたちに「あんちゃん」と親しまれている19歳の社会人です。彼は、自身が幼いころから2人の弟の世話をしてきたいわば「元ヤングケアラー」でした。

青年「自分は母子家庭なので、親が仕事に行っていて、自分が弟の面倒を見なくちゃいけないことが多かった。もう1人の弟が4歳差。小学生の時からもう弟を世話している感じ」

高校生の時には弟の世話に加え、家計を支えるためにアルバイトもしていたといいます。ヤングケアラーにどんな支援が必要かと聞くと、返ってきたのは意外な答えでした。

青年「どうだろう?今は全然思い浮かばない。何とかやりくりできていたので。当たり前なんで。過剰に支援されたところでそれに甘えてしまうので」

弟たちの世話は「当たり前」だという青年。実はここに、問題の「難しさ」があると鴻巣さんは話します。

鴻巣麻里香さん「元ヤングケアラーの子たちは自分がしていることが問題だと思わなかった。これが当たり前だと思っていたし、しんどかったけれど、これは当たり前のことだから、誰も助けてはくれるはずがないと思っていた。ヤングケアラーという言葉ができたから子どもが家庭の中でケアの役割を担うことがすべて不当であるのかというとそこの境目はとてもあいまい」

家族間の支えあいと、本来は子どもが担うべきではない役割。その境界線があいまいであることに加え、家族のケアが子ども自身にとっての「当たり前」になってしまうことから、問題視することが難しいのです。

青年「いつの間にか、父親みたいな役割だった。外に言われて初めて、これが父親みたいな感じなんだ」

鴻巣麻里香さん「ヤングケアラーというキーワードが出てきたことで、今までそれが当たり前だと思っていた子が当たり前ではなくて、これをつらいと思うことのほうが自然なのかとちょっと相談してみようかと思うきっかけになったらいい」

家庭環境は人それぞれ。家族へのケアが負担である子もいれば、負担と思わない子もいます。さらに、その役割を担うことで家族を守っていると考える子どももいます。

鴻巣麻里香さん「何かのケアの役割を持って、かつ勉強する機会、友達と遊ぶ機会、ゆっくり体を休ませる機会が奪われてしまう子どもたちはおしなべて、その役割から解放されるべきだと私は思うが、その子が果たしている不当な役割からその子を解放するためには、まずその子にとってその役割がどんな意味を持っているかへの理解は不可欠」

家族のケアをすることがその子どもにとってどんな意味を持っているのか。ひとりひとりの声に耳を傾けることが求められています。

WEATHER

TUFスクープ投稿 身近な情報をお寄せください

Nスタふくしま出演者

キャスター
奥秋直人(月~水)
小野美希(月~水)
渡辺文嘉(木・金)
田中沙朋(木・金)

フィールドキャスター
高橋広季

お天気
寺本卓也

TUF SNS 公式アカウント