4月30日放送 「空気エンジン」
 博士。このぐるぐる回っているのは何?
 おー、これか。空気エンジンじゃよ。
 空気エンジン?何それ?
 ガソリンなどの燃料を使わずに動くエンジンじゃよ。
 えー。じゃあ何で動いているの?
 空気じゃよ。


 「EMエンジン」とよばれるこの装置は、2005年に開かれた国際自転車ショーに出品され注目をあびた。作ったのは、かつて高圧ガス関係の機械を製造する会社を経営していた村上栄三郎さん。村上さんは、高圧空気を使って力を出す原動機のアイデアを昔から持っていて、会社経営を引退した今も開発を続けている。
 空気エンジンの原理は、高圧の空気を閉じ込めたシリンダーを2ッ以上つなぎ、両方のピストンを支える支点を移動することで、連続運動する仕組みだ。公園のシーソーでたとえると原理がわかりやすい。シーソーに体重が同じ子供が乗ると、バランスがとれて「やじろべい」のように静止する。この状態で、シーソーを支える支点を左右に動かすと、シーソーは、左右が交互に下がり運動する。空気エンジンの場合、子供の体重の役目をしているのが、高圧の空気だ。空気エンジンは、この原理を使い、支点をモーターなどの動力で移動することで連続運動する。高圧空気の作用で、支点を動かす力の数倍のエネルギーが得られるという。すでに、自転車にこのエンジンを搭載した試作品が作られている。