7月17日放送 「雷を操る」
 きゃー。こわいー。
 この季節は雷が多いのう。きっと大気の状態が不安定なんじゃろう。
 博士。その「大気の状態が不安定」って、よく天気予報で聞くけどいったいどういう状態なの?
 おっと、いいところに気がついたのう。それじゃあ、雷発生のメカニズムから勉強しようか。
 はーい。教えて!


 「大気の状態が不安定」とは、上空に冷たい空気が、そして地表近くに暖められ湿った空気がある状態のことをさす。大気の状態が不安定になると、暖められた地表の空気が上昇気流をおこし、上空に発達した積乱雲ができる。そして積乱雲の中では、湿った空気が上空の空気に急激に冷やされて氷やヒョウができる。この氷やヒョウ、水分がかき混ぜられて静電気が発生するのだ。つまり、雷の正体は静電気という訳だ。発生した静電気が限界を超えると、空気の層を破る電気の流れが起きる。それが落雷だ。
雷から送電線や大切な建物を守ろうと、雷を誘導して避雷針に落とす研究を大阪の研究機関が行った。これは、強いレーザー光を雷雲に向かって発射し、雷を避雷針に誘導する技術だ。数年前に福井県で実験が行われ成功している。但し、実用化には課題もある。それは強力なレーザー光を発射する装置を作るのに大きな費用がかかることだ。