1月30日放送 「静電気で塗装?」
 パチッとくる静電気は本当にいやね。
 そうじゃな。冬は空気が乾燥しているから、なおさら静電気が発生しやすくなる。
 もう静電気なんてなくなっちゃえばいいのに。
 じゃが、静電気がやくにたっておることもあるんじゃよ。
 へー。どんなことに役立っているの?
 たとえば車のきれいな塗装。これは静電気のおかげなんじゃ。
 どうして静電気できれいに塗装できるの?
 不思議じゃな。それでは説明しよう。


 静電気を使った塗装は静電塗装といって、昔から利用されている。セルロイドの板をこすって髪の毛を逆立たせる遊びは誰でも経験したことがあるが、静電気で髪の毛が逆立つ原理を利用したものだ。
 静電塗装は、吹き付ける塗料にマイナスの静電気を帯びさせて、金属の塗装面に塗料を吸い付かせえる仕組みだ。具体的には、スプレーガンのノズル先端にある針に2万ボルトの高圧の電流を流す。すると塗料にマイナスの静電気が帯電するのだ。帯電した塗料の粒は、塗装面の金属に吸い寄せられて斑無くきれいに塗装ができる。静電塗装は金属面への塗装に適しており、車や家電製品の塗装に使われている。