2009年3月1日放送
史上最強のネオジム磁石
ひとことで磁石といっても様々な種類があります。中でも「ネオジム磁石」は、現存する永久磁石の中で、最も吸着する力が強い磁石です。このネオジム磁石は、1982年に日本の技術者によって発明されました。ネオジムという金属の仲間や鉄などを混ぜて高温で焼いて作ります。この磁石の誕生で、電気製品などの性能アップが図られています。一般的な直流モーターには永久磁石が組み込まれています。この磁石を強力なネオジム磁石にすることで、小型でも強力なモーターができます。エアコンや冷蔵庫のモーターの性能アップを図ることで、省エネ化を進めることができます。また、携帯電話のバイブ機能に使われる超小型モーターは、ネオジム磁石がなければ作ることができないといわれています。このようにネオジム磁石は様々な電化製品をはじめ、話題の電気自動車にも採用されて、性能アップにつながっています。(取材協力「相模化学金属」042−773−2626)


2009年3月8日放送
アイストシステムって知ってる?
長距離トラックの運転手さんがトラックを駐車して仮眠や休憩を取るときに、冬なら暖房、夏なら冷房のためにエンジンをかけっぱなしにすることが多くあります。しかし、エンジンをかけておくと、地球温暖化の主な原因とされるCO2二酸化炭素が排気ガスと一緒に放出されてしまいます。そこで、車の冷暖房を使わなくても車内を空調できる「アイストシステム」という仕組みが昨年から本格的にはじまりました。これは、各地のトラックステーションやガソリンスタンドなど、長距離トラックが休憩する場所に「給電スタンド」という装置を設け、そのスタンドとトラックを電気ケーブルで結ぶことで車内に電気を供給するものです。運転手さんは、冬なら電気毛布で暖をとり、夏は車に装備されたクーラーで涼しくすごせます。これによって、発電するときに排出されるCO2を計算しても、97%ものCO2二酸化炭素の排出が削減できるといいます。給電スタンドは今後増えていく予定です。

2009年3月15日放送
17年後に蘇生するふしぎな虫
からからに乾燥しても生き続けることができるふしぎな幼虫がアフリカにいます。その名はネムリユスリカ。成虫は蚊の仲間です。水溜りなどに生まれた卵がかえって幼虫になります。幼虫は水の中で生息しますが、水溜りが干上がって幼虫がからからに乾燥して死んだように見えても、生き続けます。17年もたってから蘇生したという記録もあります。茨城県つくば市にある「農業生物資源研究所」の奥田隆さんは、このネムリユスリカの研究を続けています。乾燥したネムリユスリカの幼虫は水を与えることで蘇生します。番組では奥田先生にお願いして、幼虫が蘇生する様子をビデオカメラで撮影してもらいました。水を加えて20分ほどたつと動き始め、1時間を過ぎると元の幼虫の姿になって元気良く身体をくねらせました。ネムリユスリカは体内の水分が減ると、トレハロースという物質を体内に作り、この物質が細胞や組織を包んで守るのだと考えられています。奥田先生らは、このメカニズムを解明することで、輸血するための血液や移植する臓器を長期保存する技術に応用できないかと考えています。【取材協力:農業生物資源研究所】

2009年3月21日放送
台風の渦巻きは反時計まわり
気象衛星の連続画像で台風の雲を観察すると、時計の針とは逆周り。つまり反時計回りの渦巻きであることに気がつきます。北半球の台風は反時計まわりの渦巻き。南半球の台風は時計まわりの渦巻きと決まっているのです。これは地球の自転による「コリオリの力」という見かけ上の力が働いているためです。「コリオリの力」は、回転するテーブルの上でボールを転がす実験で確かめることができます。反時計まわりに回転するテーブルの上でボールを転がすと、右にカーブすることが観察できます。台風は吹き込む風によって上昇気流が発生して発達します。北半球で発生した台風に向って吹き込む風は、コリオリの力によって右に曲がるので、反時計まわりの渦巻きになるのです。番組で行った実験は、戸田一郎先生の指導・監修で行いました。

2009年3月29日放送
自転車のルーツと最新事情
軽い運動になって健康増進になるうえ環境にもやさしいため、自転車が再び脚光を浴びています。その自転車のルーツは、1800年代にドイツのドライス伯爵が発明した「ドライジーネ」という乗り物だとされています。ドライジーネは自転車に似た形をしていますが、ペダルがありません。地面を蹴って乗ったのです。その後、パリで馬車職人をしていたミショー親子が、前輪にペダルのついた自転車を作り、急速に普及しました。ところで最近、電気モーターでペダルをこぐ力を助ける電動アシスト自転車が人気を呼んでいます。2008年12月に法律が改正されて、モーターがこれまでの倍の力まで出せるようになったのです。これにより、いっそう楽に自転車で走れるようになりました。(取材協力)自転車博物館072−243−3196