12月31日放送 「水素と水で走る自動車」
 鹿児島にやってきました。博士、あれが有名な桜島ね。
 そうじゃよ。
 ところできょうは何を見にきたんだっけ。
 そうじゃった。ここで待ち合わせをしておるんじゃ。そろそろ来るはずじゃ。
 あー、あの車かな。なんか書いてあるよ。
 そうじゃ。水素自動車じゃ。



鹿児島市にある会社が、市販車を改造して水素と水で走る車を開発し、公道で走行テストが行われている。水素は宇宙でもっとも多い分子で、水素ガスはとても燃えやすい。しかも、燃焼したあとの排気ガスが水だけなので環境にもやさしい。しかしこれまで水素自動車が大量生産の市販車として実現しなかったのは、水素は爆発スピードが速いために、力を得ることが難しかったからだ。そこでこの会社では、水をシリンダー内に噴霧した状態で水素を爆発させて、二次的に起こる水蒸気爆発の力を利用することを考えた。車には水素と水のタンクがある。この会社では何年もかけて研究し、ようやく実用化のめどがたった。そこで、公道を走ることが出来るナンバープレートの交付を国から受けて実用化にむけての試験に入った。排気パイプからでてくるのは水だけ。環境に優しい水素自動車だが、水素を溜めるタンクを作るのが難しいなどの課題もある。