6月18日放送 「軽油を作る微生物」
 岩手県の釜石市にやってきました。
 きょうは、200分の1ミリという、ちっちゃな生き物を見に来たんじゃよ。
 200分の1ミリ?どんな生き物だろう。
 さあ、行ってみよう。
 はーい。


 岩手県釜石市にある「海洋バイオテクノロジー研究所」は、海などにいるバクテリアや微生物を研究する専門の研究所だ。ここで発見した「シュードコリシスティス」という微生物は、光をあてると水と二酸化炭素を合成して、軽油に似た成分の油を作ることがわかった。この微生物は、温泉水から発見された。大きさは200分の1ミリで楕円形をしている。研究所では、どのような環境にすると増殖が進むのかなどを研究している。バクテリアなどの微生物は、医薬品の原料などに役立てられているが、「シュードコリシスティス」は、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスの削減に役立てられないかと考えられている。それは、植物と同じように二酸化炭素を吸収するからだ。それは、二酸化炭素を吸収する能力が植物の50倍もあるからだ。大きな施設で、「シュードコリシスティス」を培養すれば、二酸化炭素を処理する設備として実用できるのではないかと期待されている。